たしかにその通りです。
ところでストーリーとは具体的にはどういったものなのでしょうか?
印象論としては上記の通りで間違いないと思います。
しかし
を説明して下さいと人々に尋ねると
答えに悩む人が多いと思います。
と言ってくる人もいるでしょう。
しかし、
と問えば その人は
さらにいじわるをして
と問えばそれ以上の答えに困ることでしょう。
余談ですが金太郎のストーリーは
金太郎は足柄山に母親と2人で暮らしていて、
動物たちが友達で、熊と相撲などをとったりしていました。
彼が成人した頃、たまたま山で出会った武士に
そのたくましさと優しい性格を見初められ
「自分の部下にならないか?」と提案されます。
その提案を受けて金太郎は武士となり
当時、都を脅かしていた酒呑童子という鬼を退治して
みごとその名を世間にはせることとなりましたとさ。
・・・というお話です。
ちなみに金太郎というキャラは知っているのに
彼の物語は知らないという人が結構多いらしいですね。
これまた珍しいことですよね。
でもキャラが魅力的なので誰でも
彼のことは知っています。
それだけ物語はストーリーより
キャラクターの方が重要だという論の
裏付けになっていますね!
魅力的なキャラクターがあってこそ
ストーリーは綴られるわけです!
話がそれましたので、
もう一度「ストーリーとは具体的に何か?」
に話を戻しましょう。
少し話が難しくなりますが内容がよくわからなくても
ここでは大丈夫です。流す程度に読むと良いと思います。
ストーリーとは具体的に、つまり
科学的な観点でもってそのメカニズムを説明すると
※注 (主人公と主役は似ているようで意味は違います。
主人公は「その漫画自体の中心となる人物」であり
主役は「話の展開の中心となる人物」です。)
(わかりやすい例えで言えば
サザエさんという作品はサザエさんが主人公で、
主にサザエさんの行動が話の中心となる回が主ですが
カツオが話の中心になる回もあります。
この場合、主人公はサザエさんですが主役は
その回においてはカツオと言うことになります。
ちびまる子ちゃんでもまる子ちゃんが主人公ですが
お姉ちゃんが主役になって話が展開する回もあります)
(ちなみに①と②の形式は、主人公や主役が抱く、もしくは
抱くことになった目的や目標に向けてキャラが動きますが
③の形式はそうではありません。
③の形式の場合、振りかぶってくるトラブルに対し
キャラたちが対応する姿を最後まで描きますが
キャラたちが問題を解決してかかる形式ではありません。
③の形式は主に4コマ漫画や短編の回の話でみる事が多いです。)
どうでしょうか?
「難しくて解らない・・・」と
思われたでしょうか。
でも実は簡単です!
難かしげな説明になりましたが、要約すると
と言うことです。この一言に尽きます。
人が目的を持って
達成のための行動をして
最後はどうなったのか?
単純です。
はい、要約するとその一言です!
例えば上記の①のストーリー形式ですと
「1.キャラクターが歌手に
なりたいと思い抱く」(目的、目標)
「2.歌手になるために
行動をおこす、行動する」
(目的、目標を達成するための行動)
「3最後はどうなったのか?」(結末)
というカタチです。
有名な漫画を例に挙げて説明しますね。
漫画『ワンピース』で①のパターンを例えると
1.ルフィが海賊王になりたいと想いを抱く
(目的)
2.海賊王になるために冒険に出る
(目的を達成するための行動)
3.最後はどうなったのか?
(結末)
◯「目的を抱く」→「目的達成のため行動する」→「結果はどうなったか」
と言う形式にストーリーはなっています。
もちろんこの記事を書いている時点では
まだお話は続いていますから
どういう結末になるのか楽しみですよね?
次に上記の②のストーリー形式の
説明に参りましょう。
②のストーリー形式ですと
「1.キャラクターが事件に巻き込まれる」(問題発生)
「2.事件に対応する行動をとる」(問題解決のために行動)
「3.最後はどうなったか?」(結末)
どうでしょうか、
難しくないですよね?
では、これもまた有名な漫画の
ドラゴンボールで説明してみましょう。
悟空たちが平和に暮らしているところへ・・・
1.強大な敵が現れて世界に攻撃をはじめる。
(問題)
2.大切な人たちや世界を守るために敵と戦う
(問題解決のための行動)
3.敵を倒して世界に平和を取り戻す
(結末)
◯「問題が発生する」→「問題を解決してかかる」→「結果はどうなったか」
おおむね上記のような感じのストーリー形式です。
どうでしょう、おわかりいただけたでしょうか?
最初ドラゴンボールは7つのボールを集めて
ブルマが願いを叶えるという、①のストーリー形式
だったのですが途中から襲ってくる敵と激しく戦う
バトル漫画になってゆきました。
①から②へとストーリー形式が変化したカタチです。
ちなみにこの場合でも
「目的を抱く→目的を達成してかかる→結果」の構図は
変わりません。①と②の違いは、主人公や主役が
自発的に目的を抱くか抱かないかの違いです。
①は自発的にキャラが目的を抱くのに対し、
②は受動的、つまり降りかかってくる問題を解決する
のであり主人公が自発的に目的を抱く形式ではありません。
これら2つは似てるようですが実際にお話をつくるときに
この違いはわりと重要になってくるので覚えておいて下さい。
それでは最後に③の形式を説明します。
これは①や②とは違って
「目的を達成しようとキャラが動く」パターンでは
ありません。
主に4コマ漫画やショートストーリーに
多いストーリー形式です。
サザエさんを例にとってみましょう。
1.サザエさんたちが日常生活を営んでいる
(目的、目標のない状態)
2.トラブルが発生し、サザエさんたちにふりかかる
(問題の発生)
3.トラブルに右往左往するサザエさんたち
(キャラの問題に対する反応)
4トラブルが去って行く、終焉する。(結末)
といったストーリー形式です。
この場合キャラたちに明確な目的があって
達成させようという行動ではありません。
トラブル発生から結末までの成り行きを
描くカタチとなります。
少し形式は違いますが浦島太郎が③の例えとして
あげられます。浦島太郎は特に明確な目的をもって
何かを達成させようとするタイプではありません。
海岸で偶然見かけた、いじめられていた亀を助け、
そして助けた亀に誘われるまま竜宮城に連れられて
歌や踊りを堪能した後、地上に戻ります。
すると何百年もたった時代になっていました。
竜宮の乙姫にもらった玉手箱を開けると
中から煙が出てそれを浴びると老人に
なってしまったというおはなしです。
先のサザエさんの例と少し違ってトラブルが
最後にやってくるというカタチですが。
どちらの例えも主人公、主役が
明確な目的を持っていないことがポイントなのです。
ただこの形式は、長編漫画などで見かけることは
まずありません。もちろん長期連載漫画の
中にも回によっては浦島太郎のような形式の
ストーリーもありますがそうあるものでは
ありません。何故でしょうか?
私の持論になるのですが、
4コマ漫画などのように短いストーリー展開でしたら
トラブルが発生し去って行くという形式は
キャラクターがトラブルに対して
対抗する意識を抱き、そして解決を図ろうとする間もなく
トラブルが去って行ったり終わったりするのですが
それは話の長さが短いからできるのであり
話が長ければその長い時間の間にキャラクターは
問題に対する解決意識をいだき、行動をおこすから
上記のストーリー形式の②のパターンに移行してしまう
からだと思います。
浦島太郎のように最後にトラブルが降りかかるまでは
大きなトラブルらしいトラブルもなく話が進行してゆく
パターンなら長編ストーリーでも実現できるかもしれませんが
私はそうした作品をあまり見たことがありません。
大抵の物語は主人公、主役が明確な目的をもって終始動き回り
目的を達成させるカタチになっています。
長編ストーリーで③のストーリー形式をもつ作品を
ひとつだけあげるとすると、漫画ではないのですが
映画で、ロバート・ゼメキス監督の
「フォレストガンプ」という作品がそれにあたるかと
思います。
主人公のガンプは特に強い明確な目的を持たず
ただ自分に降りかかってくる物事やトラブルに
対してたんたんと対処してゆく構成になっています。
ただ彼は能力が高かったり運が良かったりして
次々とそれらトラブルや物事に対し、潰されることなく
爽快にこなしてゆくカタチで話が進み、
しかもテンポが早いカタチでそれらが展開してゆくので
見ている観客からすれば面白くうつるわけです。
ただこうしたカタチのストーリーは特殊なものであり
ストーリーの作り方を学んでいるうちは
この③の形式よりも①や②のパターンから勉強して
ストーリー作りの基本を身につけた方が良いでしょう。
基本がしっかりしていればいずれ③のパターンの
長編作品なども創れるようになるでしょう。
いきなり③から創ろうと言う人がいたら
止めはしませんがやはり難しいのではないか
と思います。
なんにせよ、これからお話づくりを始めようと
されている方は③の形式は当面考えなくて
良いと思います。
まずは基本の①、②から始めましょう。
以上が「ストーリーとは何か?」に
対する答えになります。
次はこれら①と②と③のストーリー形式を
踏まえたカタチで本格的に、具体的に
ストーリーを創ってゆく方法を
お伝えいたします。
カテゴリーの「ストーリー広場」から次の記事へとゆきます!